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Franz Schubert

The Last Three Sonatas

クレイグ シェパードの新作CD、シューベルトの最晩年のピアノソナタ3部作発売中。

2 CDs
$25.00 (送料別途).

Franz Schubert

The Last Three Piano Sonatas - CD1

片断欣赏  (CD 2)



インターナショナル・レコード・レビュー

2011年4月

シューベルト
ピアノソナタ第19番ハ短調D.958、20番イ長調D.959、21番変ロ長調D.960、 アレグレットハ短調D.915

クレイグ・シェパード(ピアノ)
ロメオ・レコーズ7283-4 (中値・ 2枚組・1時間57分)ウェッブサイト www.romeorecords.com
プロデューサー/エンジニア:ドミトリー・リペイ 
2010年5月5日ミーニー・シアター(シアトル)にてライブ録音

私にとってこの2枚組CDは、これまでのところ今年もっとも聴き応えのあるレコーディングである。あの沸きに沸いた1972年リーズ国際ピアノコンクールがご記憶にある方は、マレー・ペライアとクレイグ・シェパードという桁外れのアメリカ人ピアニスト2人が、他の才能あふれるピアニスト達を抑えて進んだあのファイナルの興奮が蘇ることだろう。結果はペライアが1位、シェパードが2位であった。

ご存知の通り、あれからペライアは世界で最も有名なピアニストとなり、シェパードは20年のロンドンを拠点とした活動で名声を確立した後、アメリカへと戻って行った。以来18年間シアトルのワシントン州立大学で教鞭をとる傍ら、コンサート、リサイタル、CD録音を精力的にこなし、深遠な音楽文化をこの街にもたらしている。彼の音楽を享受できるシアトルの住民とワシントン大学の学生は、まったくもって幸運だといえよう。

「偉大なアーティストは、その行いによって、偉大な教師でもある」と言ったのはハンズ・ケラーだが、ロメオ・レーベルからリリースされたシェパードの近年のレコーディング-特にベートーベン・ピアノソナタ全集、バッハの48のプレリュードとフーガそしてパルティータ-を聴いた方は、この発言が真実性をよくご存知だろう。しかし私にとって最も驚きなのは、シェパードの演奏にある教育的なものではなく、このライブ・レコーディングで捉えられている芸術性についてであって、心を奪われた聴衆が粛然と彼の演奏に耳を傾けていることである。純粋に再生されたこの演奏が、まるで自分のために創られたように感じられ、鮮やかな永遠の啓発として我々の心を捉える。

もちろんソロのライブ演奏は過去にもCDで発売されてはいるが、-特にリヒテルやアルゲリッチが思い出される-これらは咳や雑音で損なわれて、我々の (当然ピアニストも) 集中が望ましからぬ雑音で切断されてしまう。シェパードの最後の3つのソナタの演奏では、各演奏の最後のキーに続いて喝采の波がやって来るまで、聴衆の存在に気がつかなかった。

したがってシェパードの演奏は、最初から最後のキーまで自然に発展し、一杯のコーヒーとクッキーの後、ピアノに戻る前に自分の演奏を聴き直して「ちょっとあの部分に戻ってこうしてみようか」といった休憩に邪魔されずに流れていく。今日のテクノロジーは「リハーサル録音」や「補修」が巧妙に施され、本物の演奏を聴いているかのように我々に思い込ませてくれるが、素晴らしいアーティストによる傑作を続けざまに経験すると、我々の集中と音楽の理解ははるかに増長されるものである。

そしてそれがここにある。シェパードは最高の知的、情緒的、芸術的技術をもって、この3つの不朽の名作である音楽の聖杯を明らかにしていく。学術的な知識は、マルティーノ・ティリモとピータース版を基に完璧な解釈を行っている。シェパードは全ての反復を守っているが、それはこれらの作品には欠かせないものである。

シュナーベルの78回転レコードから初期のバックハウスやケンプのLPなど、10代の早い時期からこれらソナタを聴き、多くの忘れがたい演奏にも足を運んできた。また、今日かなり優れた録音で賞賛を受けているアーティストもいる。しかしシェパード自身による親切で学識高い注釈を読みながら、ここ数週間このCDセットを聴いた結果、生粋のシューベルティアンにこの画期的な録音を聴いて学ぶことをお勧めしないわけにはいかない。この演奏を聴けば、マレー・ペライアも心から賞賛を送るに違いない。


ロバート・マシュー‐ウォーカー


ミュージックウェブ・インターナショナル・レビュー

アメリカ出身のピアニスト、クレイグ・シェパード (1947年生) は大西洋の両側に波を立ててきたアーティストだ。1972年のリーズ国際ピアノコンテストで2位入賞 (1位はマレーペライア) を収めた後、出身地のフィラデルフィアを去って20年間ロンドンに移り住んだ。現在はワシントン州立大学を基盤として、定期的なコンサートツアー‐特に極東において‐を行い、並外れた知識とテクニックでこのような優れた一連のリサイタルとライブ録音を続けている。ディスコグラフィーは、www.craigsheppard.net を参照いただきたい。シューベルトの最後の3つのソナタは一連の作品として考えるべきだというシェパードの主張を、このレコーディングは見事に正当化している。この2枚組のディスクに、類似性や内的関連性が見事に明確に表現されている。例えばBフラットソナタのオープニングの主題とCマイナーソナタの第一楽章の第2主題が例に挙げられる。しかしこれらの細かい点よりも重要なのは、シェパードの解釈の質だ。歌うような右手、美しく自然に満ちて引いていく主題と展開、そして簡潔で優雅なフレージング。同時にこれは力強くエキサイティングなシューベルトでもあり、激しい楽節では胸が熱くなるような強烈な思いをシェパードは伝えてくる。D.959は特に鮮烈なコントラストで満ちている。ここそこでシェパードは思慮深い知的な解釈とまさに雷のようなパワーを意のままにする。私はこのレコーディングが行われたコンサートに実際に足を運んだ一人だが、録音された音の清澄さや音色は、ピアノリサイタルに理想的な1200席のワシントン州立大学ミーニー・シアターのバルコニーで聴いた効果と非常に近いものとなっている。


メリンダ・バーグリーン
www.melindabargreen.com


グラモフォンレビュー

2011年6月
シューベルト
ソナタ第19番ハ短調D.958
20番イ長調D.959
21番変ロ長調D.960
アレグレットハ短調D.915
クレイグ・シェパード/ロメオ・レコーズより発売7283-4 (118’DOD)

1972年リーズ・ピアノコンテスト受賞者の親密なレパートリー

人生最後の年にたった2作品のハ長調-弦楽五重奏曲と「ザ・グレート」として知られるようになった交響曲-しか残していないシューベルトを怠け者だとしよう。これらの大建築は、この作曲家を芸術の成層圏内に留めておくには十分かもしれない。しかし彼はこの時期創造の嵐の中にいて、多くの代表作を作り出した。クレイグシェパードがライブコンサートで収録した、説得力に満ちた巧みな出来栄えの3つのソナタ(2枚組が)がそれに含まれる。これらはシューベルトの天賦の才能を本質的なスケールで集約したもので、ベートーベンによる同形式の傑出した作品の真似事ではなく、オリジナリティを持った作品である。それどころか、クラシカル形式 (全てのソナタはメヌエットとスケルツォを伴う4楽章から成る) とゆったりとしてリリカルなロマンティックの感覚を融合させた、純粋な意味でのシューベルティアンである。中には豊かな物語の一つ一つに焦点を合わせるために、この楽譜中にある壮大な部分を強調するピアニストもいるが、シェパードはそのような解釈をしていない。シューベルトは常にギアチェンジを行い、優雅さと憂鬱と動揺の間を行ったり来たりする。シェパードはムードとハーモニーの色のコントラストに敏感な注意を払っている。このピアニストはペダルをあまり使わないため、原本の清澄さが見事に表現され、その一方で彼のピンポイントのアーティキュレーションによって、細部や体位的ラインが歯切れ良い音を出している。楽節中に高音域に耳障りな音が入り込んできて、彼の弾くハンブルグスタインウェイがマイクに近すぎるように感じられることはあった。しかしシェパードの芸術性は素晴らしく滑らかで、ニュアンスと弾力性に満ち、ドラマティックで感銘的な美がいたるところに散りばめられ、特に最後のD960ソナタの演奏は温かみと表現に満ちた気品に溢れていた。CDセットは、ベートーベンの死後一ヵ月に作られたアレグレットハ短調の思慕で幕を閉じるが、その18ヶ月後、シューベルトは早すぎる旅立ちを迎える事となる。


ドナルド・ローゼンベルグ

曲目

Disc 1
Track Title Time
  Sonata in c minor, D958 31:12
1 Allegro 10:38
2 Adagio 7:22
3 Menuetto: Allegro 3:08
4 Allegro 10:04
     
  Sonata in A Major, D959 39:54
5 Allegro 15:38
6 Andantino 7:25
7 Scherzo: Allegro vivace 5:02
8 Rondo: Allegretto 11:49
  Total 71:06
Disc 2
Track Title Time
  Sonata in B flat, D960 41:57
1 Molto moderato 19:17
2 Andante sostenuto 10:02
3 Scherzo: Allegro vivace con delicatezza 4:15
4 Allegro ma non troppo 8:23
5 Allegretto in c minor, D915 5:15
Total 70:45


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